APEC(アジア太平洋経済協力会議)の場での中国の詭弁!
APEC(アジア太平洋経済協力会議)が18日に閉幕した。
今回目立ったのは、最初から最後まで米中の対立で終了した。
その影響で1993年以来の「首脳宣言の採択」を見送ったのである。
アメリカのベンス副大統領が「中国の不公平な貿易不均衡を批判した。」
それに対して、中国の習近平は、「中国は発展途上国を強調して、アメリカの批判を交わしてきた。」
「更に、貿易の保護主義を取るアメリカを批判したのである。」
APEC・CEO(最高経営責任者)サミットで演説を行い、中国の貿易不均衡を指摘した。
ベンス副大統領が述べている中国の不公平な貿易慣行とは、
①中国政府による貿易における輸入割当
②中国政府による国有企業への補助金を支給して優遇している
③中国政府からの圧力で海外からの投資での工場から中国企業への技術の強制移動
④知的財産権のスパイ行為による略奪及び侵害
⑤サイバーテロによる他国の技術の略奪及び侵害
⑥中国国内に輸入される商品への高い関税率
ベンス副大統領はこれらの中国の不公平な貿易慣行をやめない限り、
第4弾の2670億ドル(約30兆1100億円)の追加関税を掛けると言明しました。
また、中国によるアジアでの融資での高い利息からくる借金漬けによる
国の乗っ取り行為も許しがたい行為であると非難しています。
それに対して、中国の習近平国家主席は
習近平国家主席は、「中国はまだまだ発展途上国」であり、
その発展途上国を優遇することはWTOの基本姿勢である。
しかし、今現在の中国はアメリカに次ぐGDP世界第2位の地位を持っており、
いずれアメリカを抜く勢いなのである。
更に、知的財産権をイノベーションと位置付け、イノベーションはすべての国が
恩恵を受けるものであり、一国及び一部の国または個人がイノベーションからの
恩恵及び利益を受けることは世界の発展につながらない
この意見を取り入れると、知的財産権は守られなくても良く、すべての人々が
恩恵を受けとれる技術である。と述べており、そのイノベーションを利用している
限り、中国国内には独自で開発するというイノベーションは生まれないのである。
これに対してアメリカは、「このことは中国の詭弁だと」言っています。
中国はAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の前にアメリカに対して
142項目の貿易不均衡の改善案を送り、APEC(アジア太平洋経済協力会議)の場での
アメリカへの一方的な批判を交わそうしている。
また、公の場での中国は「発展途上国だ!」と宣言しています。
中国が発展途上国で扱われるならWTOの存在価値など無くなります。
この発展途上国のフリをして多国間貿易体制の抜け穴をつこうとしている。
また、アメリカの選挙を中国側に優位になるようにトランプ大統領、共和党
への票離れを活動しているのである。
そして最大のアピールは、中国からヨーロッパに対して多国間貿易における
保護主義的な貿易を排除するためにEUに対して働きかけているのである。
今月末にアルゼンチンで開かれるG20首脳会議で、アメリカのトランプ大統領と
中国の習近平国家主席は、一定のなにかしらの合意には達するであろう。
それはあくまでも見せかけの合意であり、根本的には「お互いの覇権」なのである。
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