中国の高速鉄道輸出の失敗
中国の高速鉄道輸出の失敗
中国の高速鉄道輸出の裏に隠れているのは、
そのインフラ輸出国に対して援助を押し付けることです。
その援助と引き換えに「一つの中国」を認めさせることが含まれます。
また、この高速鉄道輸出には中国からのAIIBからの貸付、
更に、中国からの余った鉄鋼の輸出も紐付けられており、
土木工事から建設工事までを中国人が請け負うという
中国にとって損をしない仕組みが数多く含まれています。
ラスベガスとロサンゼルスを結ぶ高速鉄道の計画が頓挫しました。
これはアメリカの企業が中国企業の工事が遅れており、計画通り進んで
いないことを理由に合弁が解消となりました。
また、アメリカ企業にはアメリカ国内法で定められた国内の公共事業は
国内で生産された鉄鋼を使う法律があったのですが、中国企業からの
中国産の安い鉄鋼を使いたいとの申し入れでも合弁解消の理由の
ひとつに上げられます。
最初にインドネシアは日本案での受け入れを表明しており、契約間近と
思われていましたが、その日本案をそっくりそのままパクる形で
中国がインドネシア・ジャワ横断鉄道を横取ったのです。
しかし、技術力のない中国がその日本案そのままの高速鉄道を
着工出来る訳もなく、着工までには至っていません。
その理由として
インドネシアの運輸省に出した書類にインドネシア語・英語表記に
加え中国語表記のものも含まれており、これでは運輸省が認可出来ないとしている。
また、いまになってインドネシア中国高速鉄道社に対して中国側が
インドネシア政府に対して債務保証を求めており、最初の約束と
違うと揉めているそうです。
政府関係者からは「日本案」の方が良かったのでは?
実際に着工に至っていないため白紙撤回となり、
イアンドネシア・ジャワ高速鉄道は日本に建設要請することが決まりました。
2009年に始まったベネズエラの450キロに及ぶ高速鉄道は、現在ではほとんど
手付かずの状態で放棄されており、中国人の現地スタッフも引き上げ、
関連工場は廃墟となっております。
この原因は、元々ベネズエラは原油産出国ですが、原油の暴落により、
高速鉄道への資金不足に始まり、深刻な電力不足もあり、高速鉄道そのもの
が維持出来ない状態でありました。
2015年にメキシコが中国の企業連合と合意した契約が取り消されました。
総延長距離210キロに及ぶ高速鉄道をメキシコのペニュニエト政権が
契約したのですが、贈賄疑惑が持ち上がり、財政難を抱えていたメキシコ政府は
現契約を取り消さざる負えなくなったのです。
当然、中国も名乗りをあげ、入札に加わりたかったのですが、
ブラジルの規定で5年以内に鉄道事故を起こした会社は入札出来ない。
という規定で門前払いとなりました。
マレーシアのマハティール首相は中国を訪問している段階で中国の
高速鉄道の計画をキャンセルしたそうです。
これには、この高速鉄道は、中国ファンドを利用することが条件となっており、
債務的なリスクが非常に高く、もし債務不履行になったときは、自国の資源で
穴埋めするという非常に危険な条項が伴っているため即座にキャンセルしたのであります。
中国からフィリピンの高速鉄道に協力したいとの申し入れがあり、
フィリピンのドゥテルガ大統領がこれにどう応じるか?
実は、中国は2004年に中国はフィリピンのマニラ周辺の鉄道事業に
支援を提案したのですが、その後、工事の中断が相次ぎ、支援計画の
不備が続出して中国の高速鉄道計画が凍結となりました。
中国の高速鉄道は、もともと日本の新幹線の技術やヨーロッパ
イギリス・フランス・ドイツの技術を買い取って育ててきたもので
あって自国の技術はわずかしか入っていないのであります。
また、安全性にも非常に不安定な要素を含み、輸出して安定的に
走らせるという列車運行には多くの未知数を含みます。
また、相手国が非常に怒っているのは、この高速鉄道の建設時に
自国の労働者を使わず、中国からの労働者を連れて来て工事を
行う点にあります。
中国の高速鉄道輸出は、ことごと失敗しています。
それは高速鉄道の債務的な拘束から自国の資源を奪われるんじゃないかと
いう懸念です。
この考え方を変えない限り、中国の高速鉄道は今後も失敗を繰り返すでしょう。
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